2024年、子どもが生まれた。11月現在で5か月。随分と大きくなってきた。
それに合わせて育休を1年とった。妻も1年。妊娠が発覚してからの8か月、この1年の育休を取得するために周到に準備し立ち回った。
子どもを産んでよかったと心から思えるために、この1年の育休は必要不可欠だった。正直この1年の育休がなければゾッとする。」
子どもが生まれて家庭が崩壊して離婚した上司の境遇が今なら痛いほど分かる。
とはいえ、育休の機運が高まっている今でも男性が育休1年とるのは至難の業。この記事では自分が育休1年取得に成功した立ち回りを伝えたい。
立ち回り5選
味方を見つける
まずは社内に育休取得をしている人を見つける。できれば同性がいいが、女性でも良い。口の固そうな人の方がいい。
最終的に自分が育休取得を告げる上司を見定めるために情報を集めるために、社内の育休界隈に近づけると良い。
個人的に連絡を取って、社内の育休制度の重要な点や、育休取得者の集まりについて教えてもらう。そこそこの規模の会社なら必ず育休取得者が集まっているはず。自分の上司や部署がどれだけ育休取得に寛容なのかを把握するだけで、育休申請の道筋が建てられる。
同時に重要なのが無理解そうな人には近づかない、距離を取ること。特に、独身モーレツ社員やキャバクラ大好きマン、社内不倫おじさんあたりは要注意。40近くなって他人の人生の優先順位を変えるのは無理なので、自分が育休を申請するときに周りにいないようにしてもらう。育休を取るのにハードルの高そうな会社なら部署変更も視野に入れる。
正直、育休のために環境を変えるのはかなりハードルが高いが、ここを丁寧にやるだけで申請の時の気苦労がまるで違うと思った。関わる人を変えて、「子育てって素晴らしい」村に入れてもらうことが重要。
社畜に子どもができて突然変わりました、なんてシンデレラストーリーは不要。
子ども好きに子どもができて育休を取りました。
この当たり前を作りに行く。
200万貯める
金の余裕は心の余裕。これは育休を取ってからより身に染みて感じた。
育休を1年とると、収入が最初の半年は6.6割、後ろの半年は5割になる。2025年には8割くらいになるらしい。
育休手当の計算方法は日数によって異なる(三菱UFJ銀行参照)
育休手当は、180日を境に計算方法が異なります。詳細は下記のとおりです。
・休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%
・休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%
育休手当の基準となる「休業開始時賃金日額」とは、育休を取得する前の直近6ヵ月間の賃金を180で割った金額を指します。
実際には社会保険料の支払いなどが不要になるので手取りでいうと8~10割くらいになるが、少なく見積もっておいた方がいい。
特に、実際に育休を取ってから初めての手当て(2か月分)が振り込まれるまでに4か月もかかる。自分の場合は実子誕生から振り込みまで126日間もかかった。
振り込みは「シヨクギヨウアンテイキヨク」から行われる。
正直、4か月間も収入無一文で生活するのはかなりきつい。特に月に1回給料が振り込まれることが当たり前になっている勤め人にとって、毎月の生活費がただ赤字になって垂れ流されていく4か月を過ごすのはかなり不安になった。
子育てにかかる初期投資を踏まえると、簡単に見積もっても
200万円(100万円(4か月の生活費)+予備100万円)
は用意したうえで 育休に臨めるのが最低限のライン。
もうちょっとギリギリのラインを狙ってもいいが、余裕が無ければ無いだけ心の余裕が無くなる。子どもの泣き声でイラつく中、金の心配まで重なると精神的にキツい。男性育休1年は今の社会では贅沢と割り切って予算を構えておく。
切り札を備える
いくら環境を整えて育休を取ることに成功しても、育休復帰後のキャリアは誰も保証してくれない。
育休中も周りと同様に昇進させろ、なんてナンセンス極まりない。企業に所属させてもらえる以上のことは望んではならない。
復帰後の自分のキャリアを保障するのは自分、ということで最悪でも、転職に困らない程度の切り札を備えておく必要がある。
この機に自分はキャリアの棚卸をした。今までに積んできた経験、今後転職するとしたらどんな企業に行くか、その企業を受けたときに評価されるであろうポイント、まだ足りないポイントを明確にして、足りないところを埋めに行く。
育休後も人生は続く。どこに行っても大丈夫と胸を張れるための切り札をそろえておく。
厚顔無恥で言い切る
育休を申請するときに一番大事なのが、お伺いをしないこと。言い切ること。
XX月XX日に子どもが誕生予定なので1年間育休を取ります。
と言うこと。
あの~、、、XX月くらいに、子どもが生まれそうでして、できれば、育休を、あの、1年くらいとらせてもらえないでしょうか...?
じゃダメ。
XX月XX日に子どもが誕生予定なので1年間育休を取ります。
と言うこと。(再掲)
デカい声で、決意と自信を胸に、はっきりと言い切ることが一番重要。
育休取得は法律で保障されてる権利なので、断ることはできない。申請する相手と自分のキャラ設定など、環境作りを丁寧にやっておけばきっと承認を勝ち取れる。
とはいえ、のっけから「育休は労働者の権利で~~~」なんて話しだすのは悪手中の悪手。揉めに揉めない限りは胸に秘めておくことを強くお勧めする
謝罪より感謝
申請の時に、感謝で先回りしてジャブを打っておく。協力してくれる前提で感謝を述べる。
育休を取ってすみません。
というスタンスを自分が取ってしまうと、悪いことを何とか無理聞いてもらう感じになってしまう。最悪の場合育休期間の短縮や拒否に持っていかれてしまう。
育休を取らせてもらいます、ありがとうございます。XX月以降の現場については~~
という流れで、育休スタートまでに、自分がいなくなった後の職場の運営について最大限協力することを自ら申し出るとなお取りやすい。
育休中の職場を回すのは会社側の仕事!!、ではあるものの、それを口にする社員の心象が良くなることは決してない。育休を取ると職場から1人人がいなくなるのは事実なので、育休開始までに問題なく職場が回るように動く。
加えて、育休開始時には上司に改めて御礼のメール等を周りが見える状態(部署へのCCなど)で送っておくとより良い。育休を部下に取らせた上司、という箔をつけることで上司に育休を許可するモチベーションをもってもらう。
今からでも動ける。まずは環境づくりから
育休申請は、出産予定日直前に焦るものではなく、今から動いて勝ち取るもの。
まずは周りを見渡してみて、育休取得者を見つけるところから始めるのをお勧めする。おわり。