広告 キャリア

【キラキラ低賃金】新卒でベンチャー行かなくてよかった

アラサーになって思う、あの時ベンチャー行かなくてよかった。

少子化、労働者が貴重な時代に、あなたが一生を捧げる労働の入り口になる企業はどこだろうか。俺はあの時ベンチャー行かなくてよかったよ。

ちょっと長いです、目次だけでいいたいことはわかります。

就活のときインターンで山ほどベンチャー受けてた

大学生のとき、半分は武者修行の気持ちで、ベンチャー企業の長期/短期インターンやビジネスコンテストの類に山ほど参加していた。ちょっと良い大学の周りにはベンチャーへのインターンを斡旋するプラットフォームが無限にあって、選考に通りさえすれば東京駅までのチケットを手にすることができた。

バイトは辞めた。ただ大学3年生の平均的なバイト代の2倍くらい、なんやかんやもらっていた。渋谷に近い小ぎれいでかっこいいオフィスで、グリーンに囲まれたバランスボールや卓球台のあるオフィスで、深夜までグループワークするのは田舎者の自分にとって背伸びを受け入れてくれたような気がして楽しかった。

あの時自分は確かにベンチャー企業に入って、キラキラした人生を送ることを夢見ていた瞬間もあった。

新卒でベンチャーに行きたくなる気持ちわかる

わかる。

オフィスかっこいい

ベンチャーのオフィス、とりわけ大学生をインターンで雇う余裕のある規模のベンチャーのオフィスはかっこいいい。

開放的な室内に、これでもかと緑が置いてあったり、オープンなミーティングスペースに色とりどりの椅子が置いてあったりする。

働いてる人かっこいい

シンプルに働いている人が若い。特に東京に出てきた田舎者にとって、若い社会人同士でかっこいいオフィスでミーティングしてるとそれだけで様になる。私服勤務のところも多くて、スーツ着てるおじさんとの対比だって容易に想像がつく。

カッターシャツだぶだぶのおじさんがいないだけで、なんかキラキラしてる気がする。そんなもんです。

やめといた方がいい理由

ベンチャーでしかできない経験はある、でも大企業でしかできない経験もある

確かに若い人だけで物事を決めて前に進められるという経験はベンチャーならではのもの、めんどくさい大人を通さずにサクサクプロジェクトが進んでいくのは爽快。苦も楽も清濁併せ吞んで文化祭の前日のような気持ちで働けるのは最高。

ただ、ベンチャーでしかできない経験があるように、大企業でしかできない経験だってある。

予算の大きさ。大企業で物事を進めると、圧倒的に予算がデカい。広告を例に一つ取っても、自分がかかわったプロジェクトが1か月CMに乗りまくったりする。ふとした瞬間、意図してないのに目に入った広告が自分の関わったものだった時に得られる満足感というのは大企業ならではのもの。

稟議の面倒くささ。通さないといけないお偉いはたくさんいる。倒さないといけないお偉いだっている。その分、自分がやっている仕事を論理的に説明する責任が出る。企画書を通すためにパワポを書いたり、エクセルと向き合って収支をシミュレーションしたり、スケジュールを立てたり、自分がやっていることを人に説明するためにより多くの労力を割く必要がある。だから周りの人が協力してくれる。

どっちがいいって話じゃないけど、大卒キラキラ就活市場ではベンチャーでしかできない経験にフォーカスされすぎているように感じる。大企業もなんやかんやいろいろできるよ。

後からでも入れる

もちろんすべてのベンチャーに後から入れるわけではない。ただ、ベンチャーは慢性的に人手不足。やりたいことが決まって、それにピッタリあうベンチャーがあるんだったら周到に準備をすれば入るチャンスは大きい。大手でやり切った自信があるならそのエピソードも武器になる。

ベンチャーだって社会の歯車

大企業の歯車感はすごい。確かにおじさんのために飲み会の準備をしたり、部長の好きなもの嫌いなものリサーチしてメニューに反映させたり、バレンタインにチョコ配ったりしないといけないとこだってあるかもしれない。心を殺して行う業務だっていっぱいある。

ただ、ベンチャーも違った形の歯車ってだけ。働いていたベンチャーでは、社長の一存や思い付きでプロジェクトの方向性が変わったり、なくなったりする。社長次第では論理的に説明したところでどうしようもないところだってある。家族感の強いところだったら休日に海外旅行や運動会したりもする。

おじさんの飲み会準備するのも、会社の海外旅行に行くのも、形の違う社会の歯車。人として社会で生きる限り、歯車でいることは辞められない。

親が悲しむ

子どもがベンチャーに行って喜ぶ親は少ない。親というのは子どもに「成功してほしい」より「苦しんでほしくない」が勝つ生き物。

親のために働くわけじゃないけれど、親とかかわる時間も自分の人生の中の大事な一部。

結婚が遅れる

ベンチャー勤務、というのは結婚相手として多少のハードルになる。

結婚相手だけでなく、その親や周囲の友人にも多少なりともジャッジされることになるから。

そんなジャッジを突き破れるほど最高の相手が見つかればそれが一番だけど、確率論として今から出会う相手がバッチリはまってくれる保証はない。期待値の結果として婚期が遅れる。

給料が低い

一般的な傾向として給料が低いことが多い。福利厚生を含めるとより顕著。大企業の福利厚生というのは入ってみて痛感する強さがある。

給料が低いと、勤務地の渋谷以外に行きづらい駅に住んだり、隣の人の足音が気になる部屋から引っ越せなかったり、友人の結婚式に払うご祝儀に微妙な気持ちになったりする。

信用(ローン)が減る

30に近くなるとローンを組むことが増える。車を買ったり家を買ったりする。

そういった時に初めて与信というものに出会う。大企業で働いていると0.5%の金利で借りられる住宅ローンが、ベンチャーだと0.7%の金利になったり、借りられなかったりする。

小難しく言うと自分の人生のためにかけられる金銭的なレバレッジが下がる。ちょっと背を伸ばして住みたい家に住んだりすることができなくなる。アラサーになった今、与信がどれほど貴重なものか痛感する。

大企業に後から入るのは難しい

ベンチャーから大企業に入るのは難しい。無理ではないけど難しい。ベンチャー企業での実績というのはその凄さを評価しづらいから。

知らない会社の知らない部門の中で1番になっても評価がしづらい。

島根県の高校のフェンシング部で1位でした!

って言われても正直すごいのかわかんない。大企業の部署に入ってそのすごさに再現性があるのか判断できない、他にもっとすごさの再現性がある人を雇おうってなっちゃう。

命を捧げる覚悟があるなら迷わず入れ

ここまで読んで、一ミリも決意の揺らいでいない人だけがベンチャーに入るべきだと思う。キラキラしたオフィスで同年代と互いを尊重しながら働くことを想像しているなら辞めておいた方が良い。ボロアパートの一室で泥水すする覚悟があるならどうぞ入ってくれ、日本を良くしてくれ。本気で応援してる

そこまで強い決意がないと、入ってから必ず揺らぐ。揺らいでも取り返しのつかない年齢になってからでは遅いよ。

俺はベンチャー行かなくてよかった。

  • この記事を書いた人

兵庫県出身。関西の大学卒業から東京で働き始めて早5年~10年。 2024年6月に第一子誕生。ずぼら、大雑把、屁理屈を煮詰めたような性格。

-キャリア
-, ,